こんにちは。月一コラムのお時間です。今月は申告期限が3/15に迫っております所得税確定申告についてです。
弊法人にてよくご質問がある「上場株式配当金」「各種控除額適用における所得制限」及び「医療費」についてポイントをまとめてみました。
1.上場株式配当金
課税方法は申告不要、総合課税、申告分離課税の3種類から選択可能。所得税と住民税
は異なる申告方法が選択可能ですが、税制改正によりR5年分申告から所得税と住民税は
同じ課税方法となります。
(例)収入が年金のみで上場株式配当が多い場合
所得税:総合課税、住民税:申告不要とすることで配当金から控除された所得税が還
付される可能性があります。
(申告書の記載)
※申告書2表下段、住民税欄真ん中「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」に〇を忘れずにつけて下さい。
仮に忘れた場合でも、住民税の納税通知書到達までに住民税申告書を提出すれば申告不要に変更が可能です。
(注意点)
上場株式配当金が特定口座内で譲渡損と相殺されている場合には、配当金だけを取
り出して総合課税とすることはできませんのでご注意下さい。
2.控除額適用に所得制限が設定されているもの
申告書作成ソフトに入力すれば自動で判定してくれますが、手書きで申告書を作成す
る場合には以下の合計所得金額により控除が受けられないものがありますので、ご確認
が必要です。
合計所得金額が・・・
48万円超 → 配偶者本人の所得。配偶者控除適用不可
133万円超 → 配偶者本人の所得。配偶者特別控除適用不可
500万円超 → 寡婦(夫)控除適用不可
1,000万円超 → 配偶者控除適用不可
2,000万円超 → 住宅ローン控除適用不可
2,400万円超 → 基礎控除適用不可
※合計所得金額には退職所得も含まれますので、判定の際は忘れずに加算して下さい。
3.医療費控除
医療費控除を計算する際、実際に支払った医療費からマイナスしなければならない保
険金や一時金があります。以下の点に注意して集計が必要です。
<医療費からマイナスするもの>
・医療保険金、入院保険金
・保険組合から支給される療養費、出産一時金、高額療養費、高額介護合算療養費
※マイナスする金額はその給付の目的となった医療費が限度となります。
例:入院医療費10万円、受取入院保険金15万円の場合(その他の医療費20万円)
医療費:その他医療費20万+入院医療費10万-受取保険金10万=20万円
<医療費からマイナスしなくてよいもの>
・所得補償保険金(労務に服することが出来なかったことを理由として支払われる
もの)
・傷病手当金、出産手当金(一時金ではなく手当金)
・がん診断給付金(がんと診断されたら一時金が支払われるもの)
・リビングニーズ特約保険金(死亡保険金並みの金額を生前に受け取るもの)
※上記は、医療費を補填するための保険金ではない為、控除する必要はありません。
担当 T.S